代表的な研究成果(各項目をクリックすると,詳細ページへジャンプします)
1. 典型元素化合物の機能発現
“典型元素化学” から “マテリアルズサイエンス” へ
この化学の視点を材料科学(マテリアルズサイエンス)へと向けてみる.そこから新たな可能性がうまれてくるのである.典型元素群には電子欠損性の13族,炭素と同族の14族,非共有電子対を有する15族,16族などの電子数の多様性に加え,電気的に陽性な金属から半金属,電気的に陰性な非金属元素がそろっており,さらに低配位から高配位まで多様な構造の可能性がそなわっている.それら個々の元素の特性を巧く利用することにより,従来のC,N,Oを中心とする有機化学では実現できないような物性・機能をもつ分子系の構築が可能になると期待できる.典型元素化学は,21世紀のマテリアルズサイエンスのシーズの宝庫といえるのではなかろうか.
いかに元素を使うか?
ここで,いかに典型元素とπ電子系とを組み合わせるのかがポイントとなる.我々は,いくつかある典型元素の特徴の中でも,「軌道相互作用」,「配位数変化」,「特異な構造特性」の三つに注目している.典型元素とπ共役骨格との「軌道間相互作用」により電子構造のファインチューニングが可能となる.「配位数変化」を制御することにより新しい機能を引き出すことができる.そして,「特異な構造特性」を巧く使うことにより特異な3次元構造をもつ分子系の構築が可能になる.これらの特性を巧みに活かした分子設計により新機能性材料の創成を進めている.
新しい反応開発からはじまる新しい物質科学
我々の研究の特徴は,新しいタイプの反応の開発に重点を置くことである.上述の典型元素化学に立脚した分子設計により設計した分子系は従来法では合成が困難な場合がほとんどである.それを,「いかに」,「効率的に」創るか,それが本研究の鍵を握る.その効率的合成を,典型金属あるいは遷移金属の反応性を巧く利用することによる新しいタイプの反応開拓により実現する.この反応開発を基軸に,将来のエレクトロニクス分野において基幹材料となり得る真に優れた分子系の創出を目指している.
これまで広範に研究が展開されてきた典型元素化学のエッセンスと反応開発を中心とした合成化学との融合により創り出される新材料の可能性の探求から,新しい科学(サイエンス)への展開を目指して研究を進めている.詳しくは,下記のトピックスを参照にされたい.
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