Research Highlights

ナノ構造制御 – 最近の論文から

Macrocyclic Restriction with Flexible Alkylene Linkers: A Simple Strategy to Control the Solid-State Properties of π-Conjugated Systems
S. Saito, K. Nakakura, S. Yamaguchi, Angew. Chem. Int. Ed., 51, 714-717 (2012).
[DOI: 10.1002/anie.201107172]

一般にπ共役分子の固体物性は,分子が固体状態においてどう並んでいるか(分子配向)によって大きく影響される.分子配向を思い通りに制御するためのガイドラインの確立は,有機エレクトロニクスの分野でいまもなお重要な課題となっている.代表的な分子配向制御の戦略として,π共役分子の末端に長鎖疎水基や長鎖親水基を導入することが挙げられる.本研究では,別の分子設計として,柔軟な2本のアルキレン鎖によって2つのπ共役骨格を連結した環状2量体について,パッキング構造と固体物性の制御を検討した.モデル化合物として合成されたターチオフェン環状2量体は,僅かなアルキレン鎖の長さの違いに応じて,固体状態におけるπ共役骨格間の配向が大きく異なるパッキング構造をとり,ゲル化能,相転移挙動,固体蛍光などの物性に顕著な違いを生じることがわかった.なお,本結果はAngew. Chem. Int. Ed.誌のHot Paperに選出された.