THE YAMAGUCHI GROUP
名古屋大学大学院理学研究科  物質理学専攻化学系  機能有機化学研究室
 
 
Publications
 

 3配位ホウ素を含むパイ電子材料は優れた発光特性や強い電子受容性を備える魅力的な化合物群である。 しかしながら、5配位のホウ素がパイ電子材料に及ぼす効果については未知の部分が多い。 今回我々は、新しい5配位ホウ素化合物として、3配位ホウ素が2つの塩素原子によってサンドイッチされた ビスアントリル置換ジヒドロジボラアントラセン化合物を得ることに成功した。 この分子骨格において、ホウ素と2つの塩素は、Cl-B-Clという3中心4電子結合を形成している。 この5配位ホウ素はパイ電子系の電子構造に大きく摂動を与えており、化合物の光物性や電気化学特性が著しく影響を受けていることが示された。