THE YAMAGUCHI GROUP
名古屋大学大学院理学研究科  物質理学専攻化学系  機能有機化学研究室
 
 
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 有機分子の蛍光において,本質的に最も実現し難い特性の一つとして,小さいストークスシフトを伴った強い固体発光が挙げられる.ストークスシフトが小さい場合,凝集状態では著しい自己吸収を介した無放射失活過程により,蛍光はより高確率で消光される.これに対し本論文では,元来,高い蛍光量子収率 (ΦF) をもつジフェニルアントラセン骨格を,ペルフルオロフェニルシリル基を導入し,分子内πスタッキングの形成によりさらに強固な骨格へと修飾することにより,550 cm–1という小さなストークスシフトをもちながらも,結晶状態でΦF = 0.93という強い青色蛍光を実現することに成功した.さらにこの化合物を青色発光ホストに用い,高効率白色発光薄膜の作製に成功した.