Colorimetric Fluoride Anion Sensing by Boron-Containing pi-Electron Systems
S. Yamaguchi, S. Akiyama, K. Tamao, J. Am. Chem. Soc., 123, 11372 (2001).
[DOI: 10.1021/ja015957w]
ホウ素の配位数変化を生かした機能発現
2001/11/04
ホウ素を含むトリアリールボランπ電子系の一番の特長は,ホウ素の空のp軌道を介した共役の広がりであり,これにより特徴的な吸収・蛍光特性を示す.本論文では,これらのπ電子系が,ホウ素の高いルイス酸性によりフッ化物イオンを選択的に捕捉することが可能であり,その際の4配位ボラートの形成に伴い,前述の空のp軌道を介したπ共役が遮断され,光物性に大きな変化をもたらすことを,トリアントリルボランを用いて初めて示した.このことは,トリアリールボラン類がアニオンセンサーとして機能することを意味しており,後続の多くの化学センサー開発に対して,分子設計の礎を与えた.